サバイバーでの反省の数々
サバイバーに参加しては反省の連続でした。帰宅後にビデオを見て恥ずかしい限りでした。
出  発
期待に胸膨らませながら出発の朝、TBSが用意した服を見ると「何これ?」っと思うよう
なズボンとシャツ。ぶかぶかのズボンに縞縞のシャツ。これって誰のセンス?って感じ。
現地に着いて俺の姿を見た辰巳が「何?あのオヤジ、何しに来たの?こっちのチームに来
るなって」思ったそうだ。確かにあの服装はダサかった。さらにオヤジ顔ではね、そう思
 われても仕方なかっただろうな。しかしその第一印象がずーっと後引くとは思わなかった。
自分で用意すれば良かったんだよね。

リーダー宣言
オーディションの時から、「松本さんはリーダーやりますか?」と、何度も聞かれたので
 すっかりやるもんだと思ってしまった俺は馬鹿!自己紹介であだ名を決めようって話の時
  「俺、リーダーでいい、一番年も上だしさ、ま、まとめ役って事で」と、あほ発言。恥ずか
  しいッたらないよ。あだ名(ニックネーム)を決める話なのにリーダーに立候補だもん。
反省してますよ、あれは完全なアホでした。知人でなくても「何言ってんの?あの馬鹿」
って思ったのは普通だと思う。俺も思ったから。

喧 嘩
朝、起きるのが一番早い俺は、皆よりも2〜3時間早起きした。若い人達は起きるのが遅
い。だから生活のサイクルがずれるんだね。皆が昼寝するよりも早い時間に眠くなるんだ。
あんまり眠くて目が回るんで(何も食ってないからかも)「ちょっと目が回るんで寝ても良
いかな」ってベガスに言った。「寝てても良いですよ」ってベガスが言ってくれたんだ。
で、昼寝を30分位したのかな。火が着かないから俺も皆も苛立ってたんだろうが、同じ事
を何日繰り返しても無駄、着かないもんは着かない。だから色々な事を試した。
新しい方法を。めがねに水を張って焦点を合わせてみたが駄目。弓引きも作ってみた。
もんじゃ達と擦っていたのも俺が始めた事だったが駄目だった。
俺が気を擦ってる時かな、ベガスがすぐ側で大声を出した。自分と仲間のテンションを上げ
る為って言ってた。イライラしているのとうるさいので切れてしまった。「うるせえんだよ、
でけえこえ出してんじゃねえ!」と叫んでしまった。テレビには出てないんだけど。
悪い事言ってしまったと思いその後、ベガスには謝ったんだけどね。そしてあの全員相手の
ような喧嘩になった。喧嘩というより責められたので切れたって感じ。大人気無かった。
ララを呼んで相談した。「もう俺は追放されるんだろうな」って。ララに激しく怒られた。
「何でガッツはもっと自分に自信が持てないの?」って泣きながら怒ってくれた。「大っ嫌い
なタイプの、普段だったら話もしたくないオヤジだけどゲームに勝ちに行くために頑張れ」
見たいな感じだった。怒られたのか励まされたのか複雑だった。

第一回追放審議会
掲示板を見に行くと何やら読めない文字が。「そり」が読めなかった。ロープも何に使うん
だろう?木登りかな?とか。でも石山君がそりと読んだと思う。さすが高学歴!
ゲームではベガスと俺が一番後ろだったがとにかく重かった。まるで2〜3人くらいで引い
てるのかと思うほど重かった。出足が早いワッカは器用なのか?だがトイトイの圧倒的な強
さは半端じゃない。チームワークとかの問題じゃない、それ以前に個々のパワーの差だろう。
ワッカだって全員力を出しきったが結果は惨敗、追放者を出さなきゃならない。
以前から孤立状態だった俺はとにかく悔しかった。今までこんな不甲斐ない負け方をした事
が無かった。仕事でも、ゲームでも。「自分がいて負けた事が悔しい」とは自分の不甲斐なさ
が情けなかった。でも、一人の力ではどうにもならないのだけど。
夜、誰を追放するかみたいな相談が聞こえた。テントで寝てた俺は、「全員俺に投票して良い
よ」と言ってふて寝をした。翌日、メガネで火を起こそうとしている俺のとこに石山君が来た。
「今回はベガスを落とす」って。「プライドを捨てろ、和を乱すなら次に追放する」って。
今思うとこのチームは勝ちに行くとは口だけで嫌いな人間を落とすって人が牛耳ってたんだ
な。
(何でベガスなの?どういうことでベガスになったんだろう?当時、俺はサキか辰巳が候補だ
と思っていたが)この時、弱気になっていた俺は自分が助かる事で考える余裕が無かった(馬
鹿だね)石山君と話し合う余裕が無かったんだよ。男から追放して良いものかどうか。全員揃
っていてもトイトイには圧倒的な力の差をつけられているのに。思っていたのに言う余裕が無
かった。あれがワッカ崩壊の始まりだった。
投票では思いがけない結果になった。俺に2票入ったのは何故?ベガスと他はだれ?もんじゃ
は俺にベガス追放を持ちかけてきた本人だから入れないと思ったがもんじゃだった。あとあと
俺をコントロールしやすいように考えたのかも。

もんじゃのリタイヤ
俺は元々人と争ったりいがみ合ったりするのは大嫌いだからやっと力を合わせて頑張り、良い
仲間になれるかと思っていたのに非常に残念だった。立派な体格でスポーツで鍛えた見事な
肉体。俺も若い頃はこんな感じだったのに(こんな事書くと誰もが嘘だろうって思うだろうな、で
もほんと)20年前は。石山君は首に治療の針を打っての参加だったが「こんなに早く再発する
とは思わなかった」って。ほんとに心残りだっただろうと思う。
モンジャのリタイヤでワッカのパワーゲームでの勝算は皆無に近くなった。と言うより皆無。

ファイヤートライアスロン
若い方が最近まで学校に行ってたんだから計算は速いだろうって事で若い人に任せた。焦る
為なかなか計算できない。俺と山ちゃんがやったほうが良かったかどうかは後の祭ってやつ。

おかん(松岡さん)の追放
彼女は目立たず、しかし信念を持ち他人に左右されずにいた。泣き言も言わなかった。
強い女性だったと思う。しかし、長いものには巻かれろが多い中で我を通し、サキに投票した。
彼女一人が真にゲームに勝つための選択をしたわけだ。当初、辰巳に投票しようとしていた山
ちゃんと俺。しかし彼女の些細なミスを理由に投票してしまった。この時は辰巳は運良く残っ
たが、大失敗でした。おかんは残すべきだった。俺ってなんて馬鹿なんだろう
ウーメラ
変な形の大昔の槍投げ器。皆で何度か練習したがうまくいかなかった。トイトイの陣地を見
ると槍がうまく飛んでるのが見えた。うまいなーって思いながら誰だろう?
本番では山ちゃんが「ガッツさん投げてよ」で俺が投げた。でも負けた。刺さったかと思った
ら外れてた。テントを取られてどうするワッカ。「皆に寒い思いをさせて済まない、俺のせいで」
詫びる気持ちで一杯だった、涙が出た。でも、小屋に住んで正解だった。それまで蚊に悩まさ
れたのに、中で火を燃やしてるから蚊が来ないんだ。暖かいし。泣いた涙は何だったんだろ
う?

相 撲
最初俺は熊さんにふりまわされた挙句に3m位ぶん投げられた。悔しいが仕方ない。相手は
100kg近い巨漢だ。二度目は佑こと湯浅君。いつもゲーム会場で会い、俺が会釈をすると
にこっと会釈を帰してくれた好青年。これは楽に勝った。火傷してたのは知らなかった。
「しょっぱい女はあたし行くよ」が出たのはこの日。辰巳が川村さんをしょっぱい女呼ばわり。
しょっぱいって何だろうね?あっさり負けてごろんと転がって起き上がる事は無かった。
病院へ搬送。結果はワッカの負け。

山ちゃん追放
 山ちゃんは魚取りを最初にした人。「ガッツさん、この袋で魚を捕ってみようと思います。」
うん、「捕れるかもね、魚は木の枝や草なんかを束にしておくと入るんだよね」なんて話して
るうちに一人で始めて、そのうち「やったー」って声がして行ってみると小指くらいの可愛い
蝦夷ウグイが入ってた。驚いたね、あの時は。そして皆で焼いて食べた。山チャン、ご馳走様。
山ちゃんの捕ってくれた魚を食べ、みんな、笑顔とちょっと元気が出た。しかし・・・・
相撲で負けたせいなのか山チャンが元気が無い。口も聞かないし黙々と木を切ってる。この時
全員で辰巳追放の方向で話しがついてたんだが山ちゃんが気力を無くしてしまい説得も空しく
しかたなく投票する事になったんだよ。後三日待ってて、辰巳の次に帰してあげるからと言っ
たのに「もう許してください」って。しかたなく山ちゃんの意思を尊重した。投票は山ちゃん
の名誉の為にも票をバラけさせる必要があった。「ララは俺に入れろよ。理由は適当で良いか
ら」で、ララは俺に入れた「今だ不信感が消えません」ってね。うまい!ララ。
しかし、この一票が後で俺の運命を変えた。大失敗でした。
でも、あの時に山ちゃんを強制的にでも残すべきだった。その後のワッカを考えると・・・。
運も実力のうちって言うけど辰巳は言葉も運も強い。

スイカ運びレース(物資調達)
スイカ運びレースはやはり出足だけはワッカがリード。説明聞いてる間に座りの良さそうな
スイカを見て選んでおいたので1回目だけは早かった。一個目を桶に入れて「よし、走れ!」
と言うと、女性陣は「走れないよ」で、しかたなく歩いてるうちに元気なトイトイに抜かれた。
その時点でもうダメ。スイカは食えなかった。うまそうに食ってるトイトイを横目に早く「帰
らせろよ、食ってるとこなんか見たくねーよ」なんて愚痴を言ってた。
あと、お風呂セットの獲得(トイトイ)。取れなくて良かった〜。「もし取れてたら誰が穴掘る
んだよ、俺しかいねーで」だいいち、ワッカの陣地にはトイトイみたいな斜面も無いし、結果
オーライだった。トイトイも風呂は使ってなかったみたいだけどね。

命の糸
ワッカが始めて勝ったゲーム。非力なワッカでも勝てる可能性の有るゲームだった。
バランスを考えてくじは俺が引いた。何故かうまいように良いとこが引けた。
初めて勝った時は女の子は全員が泣いた、泣いた。初めての勝利の味。夕食はいつもより多
めに食べた。お祝いだった。この時だけかな、皆の気持ちがひとつになった感じがしたのは。
「向こうは誰が追放になるんだろう」なんて話しながら

ショットブーメラン
このゲームも負け。サドンデスになって最後は辰巳。相手は今井君。彼はすごい!ここ一番の
勝負強さはずば抜けてた感じがした。結局彼に負けた「賞品の物資は釣り道具。トイトイはバ
ーベキューでも期待してたようですごくがっかりしてた。
負けたけどこの時は全員で。笑った」

丸太運びレース
俺の最後のゲーム。見ただけで、勝てないのは解った。けど、万に一つの可能性を求めて全
で頑張った。しかし、のこぎりがうまく切れない。焦れば焦るほどうまくいかない。
隣を見る暇も無く切ってたら、トイトイが切り終わったって。思わず「エッ」って声が出た。
俺は半分くらいしか切れてなかったのに。やっと切り終えてくたくたで大八車を引っ張りゴール
を目指す。しかしトイトイとの差は80m。追いつくはずは無い。距離は益々離れる。
丸太を引き上げようとした時はすでにトイトイがゴール。この時点では辰巳を追放しようとサキ
とララと俺では決めていた。「おねえに着くようにしても最後にはおねえを裏切るから」と言うサ
キの言葉を信じた。


辰巳、サキの家出
その夜、全員が明日の投票の事を考えると気が重かった。辰巳も今まで一緒に戦ってきた仲
間である。その仲間を4人しかいない仲間一人を追放しなければならない。
そんな時、辰巳の家出宣言だ。やたらとサバイバル精神だのなんだのとのたまう割に帰りたい
と泣き言を連発していた辰巳。自分が追放されると知って、勝負に出た。
そしてまさかの事が。サキが「私ネーさんとちょっと話してくる」帰ってはこなかった・・・。
ララと二人の生活。魚を釣って二人で食べる。朝、40匹くらい釣って二人しかいないから腹
一杯になるほど食った。朝飯も昼飯も魚、でも飽きなかった。わずかな期間だがララと親子か
夫婦?みたいに暮らした。
投票は累積票から行くと俺が追放になる。が、サキの真意はどうなんだろう?
サキを呼び出して聞いてみた。「ごめんね」と泣くばかりのサキ。この一言で理解した。
これから一人になるララの為にできることをしよう。薪を3日分くらい切り、洋服で使えそうな
ものは置いていく。釣りをして魚を少し。この日、ララは何回泣いたんだろう?でも「審議会で
は泣かないでくれ、俺も辛くなるから」と頼んだ。「辛かったら辰巳たちと暮らせ」と言うと、ラ
ラは「絶対に一緒には暮らさない」って言ってたね。見事信念を通したよ、偉かったね、ララ。

追 放
予想通り辰巳2票、俺2票。累積で俺の追放が決定した。「人生の中間テストのように自分を試
したい。自己評価で70点」とか言ったね。

まとめ
ここで俺のサバイバーは終了です。行く前に危惧していたことが起こりました。仲間はずれ、
自分を出していって失敗した。最初にリーダー宣言したのもほんとの俺、その後、おとなし
くなってからもほんとの俺。楽しかったけど、恥ずかしい事、反省すべき事がいっぱいでした。
戦略としてまず目立ったベガスや俺みたいなのはだめかもね。
終わってから色んな事考えます。あの閉鎖的な空間で21日間生活してあの小さな社会の中で
喜怒哀楽があるんです。でも、俺が一つ言えるのは人として生きられて良かったと思う。
人としてのプライドを捨て、餓鬼、亡者になることはできない。人間としての誇りを持ってゲ
ームを終了した事の満足感でいっぱいです。私は43才です。これからどんどん年老いていき
ますが若者にはまだまだ時間が有る。色んな経験を積んで人の痛みのわかる心有る人になっ
て欲しいと思います。                     
ガッツ  松本文男








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